点検の実施

出航前の主な点検事項についてご紹介します。

出航前は、船体とエンジン周り、燃料の量、バッテリーの状態を点検するとともに、最新の気象・水路情報を入手しましょう。

点検の重要性

安全・快適にボートを使用できるようにするためには継続的なメンテナンスを行わなければなりません。新艇のうちは慣らし運転によって各部を馴染ませ、不良点を見つけメンテナンスしていきます。

もし、メンテナンスを怠り整備不良によって事故が起きた場合、そこは海の上です。メンテナンスを確実に行い予防整備を行うことで故障が起きないようにする、それは、すなわち継続的で定期的な点検を実施することです。

これは人が定期健康診断を受けるのと同じことです。常に体をチェックして体の状態を把握し、体の機能が衰える前に手当てをする、またチェック結果が良好であれば安心できるものです。もし不良部があったとしても早期対策が打て、重傷になってからのことを考えれば早く安く処理ができます。

ボートの性能も一昔に比べれば格段に向上していますが、ボートの使用環境は自動車の使用環境とは大きく異なり、想像以上に過酷な環境です。

日常の出航前、帰港後点検そして定期的なメンテナンスを確実に行うことがいかに重要かおわかりいただけると思います。安全、機能をいつまでも維持するのはキャプテンの重要な役割です。

例えば艇体のメンテナンスを怠ると船底周りやドライブの冷却水取入り口に付着した貝殻や海藻により、

  1. スピードが出ない。
  2. エンジンの回転が上がらない
  3. 燃費が悪い

といった症状やオーバーヒート、ドライブの腐蝕といった不具合を起こします。

過去の事故事例

プレジャーボートの機関故障
プレジャーボートA丸は、和歌山県本脇漁港を出港直後からたびたび主機関が停止し、その都度再起動させて続航していたが、ついに主機関が再起動せずに航行不能になり、海上保安庁の巡視艇により救助された。
故障原因は潤滑油の不足による機関の焼き付きで、船長は発航前に燃料の確認はしたものの、潤滑油量は未確認だった。

プレジャーボートの海難事故の多くは機関故障によるものです。
定期点検、出航前点検を必ず実施して安全航行を心がけましょう。

点検のチェックポイント

船内機ボート

船内外機ボート

船外機ボート

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